MTS前会長Richard Spinrad氏、NOAA長官に就任

MTSの前会長でオレゴン州立大学教授のRichard Spinrad氏(67才)が、バイデン政権下で海洋・大気問題担当商務省次官兼第11代海洋大気庁(NOAA:National Oceanic and Atmospheric Administration)長官に就任した。去る6月22日、商務省長官のGina M. Raimondo氏に対して同ポストに就任する宣誓をバーチャル形式で行った。これは、6月17日の上院における人事承認に基づくものである。また、MTSはこの朗報を6月30日にwebsite上で公表した。(末尾リンクを参照)

OCEANS/Techno-Ocean2018で講演するSpinrad氏

Spinrad氏は、日本にもなじみが深く、OCEANS/Techno-Ocean2018(Techno-Oceanと米国OCEANSと神戸で合同開催)では来日して基調講演をしていただいた経緯があり、MTS日本支部をはじめ広く日本の海洋コミュニティとも親交を重ねてきている。7月16日に鈴木MTS日本支部長他からお祝いのメールを送信したところ、翌日にはご本人から謝意を表するメールが返送されてきたことも、ここに記しておきたい。

同氏は、NOAAの要職を歴任した経歴の持ち主であるが、なかでも、OOA(Office of Oceanic and Atmospheric Research)やNOS(National Ocean Service)の長を務めていたのに続いて、オバマ政権時代の2014年から2016年には、当時のJane Lubchenco NOAA長官の指名によりChief Scientistの職にあったことはよく知られている。

なお、オレゴン州立大学出身のNOAA長官は、レーガン政権時代のJohn Byrne氏、オバマ政権下の上記Jane Lubchenco氏に続いて3人目である。

トランプ政権下では、2017年以降、NOAA長官のポストは長く空席のままという異常な事態が続いていたが、バイデン政権となって気候変動対策等に力を入れる基本方針もあり、このNOAA長官指名となった。Spinrad氏は、70億ドルの予算(2022年要求)と12,000人の職員を統括するトップの座に就くことになるが、MTSとしても大きな誇りと言えよう。